霊場恐山 イタコの口寄せ


お盆休みに、青森県下北半島の恐山まで、イタコの口寄せ(霊媒師による霊降
ろし)で親父に会いに参りました。私の親父は高校生の時に病死し、結構苦労
させられましたので、一言文句をいってやろうという考えです。


雰囲気あります。賽の河原ってこんな感じなんでしょうね。辺りは硫黄の臭いが
充満しています。ちなみに、恐山は禅宗の寺なんです。


寺の横には、イタコのいる小屋が・・・・。なんと、捨て看板!!
料金は10分3000円。なんと、3時間半待ちとのことで、あきらめて地獄めぐり
をします。

 
寺内には無料の温泉があります。  

 

 

 
こちらは、浄土が浜です。こんなに綺麗な山上湖は見たことありません。

 

 
せっかく青森まで来たのですから、気を取り直して並ぶことにしました。小屋の
中は冷房も扇風機もなく蒸し風呂のようです。

並んでいる人たちに話を聞くと、ほとんどが関東以北の人です。
親戚一族で来ている人たちもいます。かなり入れ込んでいる人たちが多く、自
分の順番が近づくと、感激して泣き出す人も大勢います。

概ね3時間待って、私の番が参りました。正直、半信半疑、どちらかというと唯
物論者の私も、恐山の雰囲気にのまれ、二十五年ぶりに父親に会えるような気
になってきました。

部屋に呼ばれると、白装束のイタコさんが座っています。70歳くらいの小柄な
老婆でした。盲目の人を想像していましたが、目は普通に見えているようでし
た。何故か、サントリーなっちゃんの1.5リットルペットボトルを愛飲しているよう
です。父親の生年月日、死亡日、死因、私の生年月日を話すと、大きな数珠を
使って父親の霊を呼んでくれます。数珠の先には、犬?の頭蓋骨や、鹿、牛の
角が取り付けられており、雰囲気があります。神妙に頭を下げて呪文を聞いて
いると、何故か、「南無阿弥陀仏」と言っているのです。南無阿弥陀仏は浄土真
宗、恐山は禅宗なのに・・・。友人からは、お盆には父親の霊は、自宅に戻って
いるので青森には来ないという指摘を受けていましたが、イタコは、「お盆のと
ころ申し訳ないが、青森まで来て下さい。」と言っており、理論的武装されてい
ます。

テレビ等からワッと老婆が抱きついてくるイメージを持っていましたが、老婆は
いつの間にか親父になっていました。小声で、「早く死んでしまい、何もしてや
れなくて申し訳無かった。お前が逆境に負けず、立派に頑張っていることをいつ
も喜んでいる。これからも見守っているので、頑張ってくれ。」と親父は言いま
す。

ガラにもなく、涙目になっていたところ、「お前は酒が好きじゃが、血圧も高いの
で、控えんといかんぞ。」と言い出しました。私は酒は飲みません。付き合いで
飲みに行っても生ビール中ジョッキ一杯半で必ず終わりです。旅行中も一滴も
飲みません。しかも低血圧、上が100無いことすらあるのです。多分、イタコさ
んは、私の体型や顔色を見て、想像でアドバイスしてくれたようですが、残念な
がら、私には当てはまらなかったようです。

親父が霊界に帰った後、イタコさんが3000円を請求しました。私が一万円札
を差し出すと、イタコさんは白装束のポケット?から、7センチくらいの千円札の
札束を取り出し、おつりの7千円を差し出してくれました。

「お兄さん、どこから来られた?」 「大阪からバイクで来ました。」 「道中、気ぃ
つけてな。」という取りとめも無い話をしながら、丁重にお礼を申し上げて、小屋
を後にしました。

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