ホンダ CB125Tで行く北海道ツーリング! A


北海道を走るライダーの御用達ホクレンガソリンスタンド。ライダーが、ホクレン
(北海道農業協同連合会)で給油すると、セフティーサマー北海道というキャン
ペーンで、フラッグがもらえるのです。

道南(黄色)、道北(青)、道東(緑)となっており、沢山の色を集め、荷物に結え
付けて走っているライダーのステージが高くなるのです。また、どんどん走って、
フラッグがほつれているほど、ステージが高いのです。
このフラッグは、自動車で旅行する方からは、垂涎の的なのです。ライダーは、
スタンプを集めて、懸賞に応募するために、ライダー達はみんなホクレンで給油
したがります。
北海道のガソリンスタンドは、関西と違って、50キロくらいの区間で全く無いこと
や、日曜日は閉店、夕方は5時までといったことは珍しいことではありません
が、ホクレンで給油したいがために、ガス欠の恐れにビビりながら、ホクレンを
探します。ちなみに、ホンダ2輪のお店では赤いフラッグを配っていたそうで、帰
りの船で大変悔しい思いをしました。(笑)


目覚めは朝5時、テントから顔を出すと、夜遅く両隣に野営をしたチャリダー(自
転車で旅をする人、ちなみに北海道には、徒歩で旅をする徒歩ダーもいる。)が
もう荷作りを始めている。
私も、テントをたたんで出発。軒下三寸借り受けました稚内港北防波堤ドーム
にお礼を言って、稚内港を後にする。


続いて訪れたのは、宗谷岬。日本最北端の地だ。サハリン(旧樺太)までは 4
3kmだが、今日はモヤがかかって見えない。
ちなみに、日本最南端は鹿児島県佐多町の佐多岬、日本最東端は北海道根
室市の納沙布岬、日本最西端は長崎県小佐々町の神崎鼻。


宗谷丘陵にバイクを乗り入れる。約2万年前に形成された氷河により削られた
なだらかな地形に、沢山の牛が草を食んでいる。奥まで進んでいくと、舗装され
ていない砂利ダートになったので引き返す。


宗谷岬から、オホーツク海を眺めながら、238号線を根室に向かって走ります。
猿払では、見慣れない施設がありました。パーキングシェルター、吹雪の際に
車で避難する場所です。シェルター内には、トイレ、道路情報、電話等が備え付
けられています。大阪に住む私には、想像も出来ない厳しい冬なんでしょうね。


また、北海道でよく見られる牧草ロールが綺麗です。正式名称はロールベール
サイレージといって、昔、使っていた牧草保存庫であるサイロ施設が必要なくな
るそうです。なかなか上手に写真には撮れません。


北海道の主な景色は、牧草地です。牧草が生えて、まわりを防風林が囲ってい
る、こんな感じです。ただ、我々から見ると、すごく美しい風景です。

さて、北海道のお楽しみのひとつに、海の幸があります。

写真の海鮮バーベキューは、サロマ湖の近くの魚介類の卸屋がやっているもの
で、全部で580円です。お腹一杯になりましたが、カニは今ひとつでした。やっ
ぱりホタテが一番です。後で判ったのですが、このお店は、食べきれない程の
北海道のご馳走で有名な「船長の家」が経営していました。


網走の海岸で、こんな光景に出会いました。最初は、映画の撮影かと思いまし
たが、単なる結婚記念写真の撮影のようです。網走の人に怒られるかもしれま
せんが、網走の海岸です。網走です。あの網走です。(笑)
網走の名誉のために記述しますと、この日は、稚内から根室まで走りました
が、最も店が多い都市でした。
ちなみに、着流しの高倉健は、どこを探しても歩いていませんでした。笑


ホクレンのガソリンスタンド以外に、ライター御用達の店がもう一つあります。そ
れはセイコーマートです。北海道のコンビニのシェアは、圧倒的にセイコーマート
がbPです。北海道のライダーは、自炊者もいますが、コンビニ派が大多数をし
めますし、私も、コンビニ派です。セイコーマートのおにぎりは、北海道らしくイク
ラが入っていますし、カツゲンという清涼飲料水は、北海道でのみ売られている
のですが、青リンゴ味はセイコーマートでしか手に入りません。セイコーマート
は、今年の夏も、ライダー達の胃袋を満たしてくれました。


世界遺産になった知床は、観光客でごった返していると聞き、パスすることにし
ました。寝場所の候補地は、ライダーの聖地といわれる中標津の開陽台と根室
の2箇所。夕方、244号線を走っていると、開陽台方面に向かうライダーとやた
らすれ違います。へそ曲がりの私は、あえて根室に向かうことに決定して、どん
どん南に走ります。
ところが、根室、やたらに遠いのです。そして、北海道の日の暮れは早いので
す。どんどん暗くなってきて、そのうえ霧雨が降り始めます。ガソリンスタンドやコ
ンビニもなく、ただ、ただ寂しげな湿原が、延々と続きます。

気弱になり、やっぱり戻って、開陽台へ行こうかと考えていたところ、不思議な
人とすれ違いました。
なんと、パンダの着ぐるみを着て、リュックサックを背負って歩いているのです。
バイクに乗っている私がこんなに焦っているのに、こんなに何も無いところで、
徒歩。しかも、着ぐるみとは・・・・。
気持ち悪くて、声をかけることも出来ませんでしたが、根室のライダーハウスで
後から来た人に聞いたところ、九州出身の着ぐるみ冒険家だそうで、北海道で
はかなり有名な人とのこと。ちなみに、うさぎの着ぐるみも持っているそうです。

帰宅後、ネット検索をしたところ、着ぐるみ冒険記というブログがありました。
http://ameblo.jp/kigurumiboukenka/day-20050814.html着ぐるみ冒険記
徒歩の旅の安全をお祈りしています。

根室半島に着いたのですが、何もありません。真っ暗な中、霧雨で途方に暮れ
るばかりです。そのうえ、すごく冷え込んで来ました。テントはあるのですが、と
てもテントで寝られる状態ではありません。
目当てをつけていたライダーハウスには、到着時間が遅いので受付を断られま
した。

夜の怖さを久しぶりに感じました。もう一つ地図に載っているライターハウスも
見つかりません。街灯も無い真っ暗な道をうろうろしますが、どうしても判りませ
ん。

落ち着くために、一旦、バイクを止め、エンジンを切って、小便をします。波の音
だけが聞こえてきます。先程の着ぐるみ冒険家のことが頭をよぎります。ガソリ
ンはまだまだ沢山あるので、どうしてもダメなら今からでも、2〜3時間も走れ
ば、多少はマシな町に行けると自分を納得させます。

一旦、地理的に判断しやすい、根室駅に戻ることにしました。すると、どうしても
見つからなかったライダーハウスお母婆が見えてきました。

ドアをあけると薪ストーブが焚かれています。ありがたい!お盆にストーブにあ
たるとは思っても見ませんでしたが、当然と思われるほど寒いのです。

先客は名古屋からディグリーで来た大学生氏と川崎から東日本パスという周遊
定期券で来た女の子がいました。その後、静岡から来た日本一周中のGPZ
氏、群馬から来た自動車屋のCB400氏で楽しい夜を屋根の下で迎えることが
出来ました。


お母婆は、洋風居酒屋? レストラン?がライダーハウスをやっています。
宿泊条件は、1,500円以上の食事をすることですが、安い、旨い、珍しいの3
拍子揃っています。お店のアットホームな雰囲気もとてもいいのです。
http://www11.plala.or.jp/nemuro_okaba/
私は、根室名物のエスカロップ(バターライスの上にトンカツが乗って、デミグラ
スソースがかかっている)、鹿肉のステーキ、サンマの刺身をいただきました。
大阪ではお目にかかれない料理ばかりで、しかもボリューム満点です。約2時
間前は、真っ暗な道で霧雨を浴びながら途方に暮れていたので、有難さが身に
染みます。(笑)
ライダーが集まっての食事は楽しいです。
バイクに乗り始めたきっかけ、マシンやヘルメットの自慢、北海道の話等・・・・。
消灯は22時。波の音を聞きながら、眠りに落ちました。

本日の走行、なんと536キロ!!



8月15日(月) 朝5時起床。

もう、夜が明けています。
気のせいか、北海道は、大阪に比べ、日の暮れと夜明けが早いです。原理的
にはそれで間違っていませんが、体感出来るのは気のせいでしょう。(笑)
他のライダーを起こさないよう、静かに荷作りをし、バイクを押し歩いてライダー
ハウスから離れてからエンジンをかけます。今日も頼むぞ相棒!!CB125T
のタンクをさすります。

寒々とした朝もやの中、日本最東端 納沙布岬を目指します。
北方領土返還を求める看板が目立ちます。最も近い歯舞群島貝殻島までは3.
7キロとのこと。
 

岬に立つと、北方領土が見えます。あれが日本でないとは・・・・。





根室から釧路に向かう途中、JR根室本線の無人駅で休憩しました。
はっきり記憶していませんが、地図から推測すると多分、別保駅だと思います。



随分短いホームだと思っていたところ、突然、列車がまいりました。
ディーゼルで、しかもワンマン電車です。

ところが、4両編成です。どうするのかと見ていたら、乗降扉は1ヶ所だけ開きま
す。列車での旅もいいカナと思いました。

釧路駅前に和商市場というカニや魚を扱う市場があります。

ここは、総菜屋でご飯を買ってきて、今度は魚屋で好きな海産物を少しずつ乗
せてもらうオリジナルの海鮮丼=勝手丼の発祥地として有名です。
もともと、貧乏旅行をするライダーを相手に始めたことだそうですが、口コミで広
がったそうです。
私も、折角北海道に来たので、ラーメンとコンビニのセイコーマートばかりで食
事をするのではなく、豪遊?することにしました。(笑)


写真の勝手丼は全部で1200円。食べ応えがありました。


十勝の砂浜で休憩をとります。
そこでは、沢山の竿を並べて投げ釣りをしていました。
釣り人に尋ねると、鮭を釣っているとのこと。
まだ、シーズンには早いので、竿は少なめで、
本格的なシーズンになると、1メートルずつに何キロも竿が並ぶそうです。
餌はサンマの切り身で、魚が乗った時の気分は最高とおっしゃっていました。
何とも羨ましい話です。


16時50分、襟裳岬に到着しました。
道中、すごい霧で大変でした。いきなり鹿が飛び出してきて、こちらに気づいて
また藪に戻るので、あやうく轢きそうになりました。

期待どおり、土産物屋から森進一の襟裳岬の唄が流れてきます。そのうえ、唄
の石碑もありました。(笑)
だいたい、森進一は、鹿児島出身なのですが・・・・???



霧で何にも見えません。崖の上に立つと、海鳥の泣き声だけが聞こえます。
風の館という博物館は、入場受付が終わっていて、楽しみにしていたアザラシ
は見られませんでした。土産物屋はボチボチ閉店し始めています。なんとも寂し
い光景です。

そろそろ夕方なので、寝場所と食料の確保をしないといけません。襟裳岬に
は、百人浜という立派なキャンプ場がありますが、コンビニはおろか、スーパ
ー、パン屋、食堂なんかもありません。本等に全く何もありません。力強く何もあ
りません。森進一は正直者だと関心している場合ではありません。

仕方なく、帯広方面に向かって走ることにしました。すると、雨が降り始めます。
昨日の夕方、寝場所に苦労したのに、同じ失敗を繰り返す自分に、腹がたちま
す。屋根付バス停で、雨支度をして、いざとなったら、帯広まで走りきる腹を決
めます。

黄金道路といって、黄金をばらまくようにお金をかけて作った海岸線の道を走り
ますが、名前とは裏腹に、漁港がポツリポツリあるだけで、街灯もなく、寂しいこ
と限りありません。

なんと40キロほど走り、十勝港のある広尾という町で、やっとコンビニを発見。
弁当やパンを購入し、コーヒーを飲んで温まります。コンビニやガソリンスタンド
はおろか信号が4〜50キロの間、全く無いことは北海道では珍しいことではあ
りません。

食料があれば、後は寝床です。テントはありますが、出来れば、屋根付バス停
のほうが、テントを乾す手間もいらずに楽なのですが、いざとなるとバス停は見
つかりません。競走馬の育成で有名な大樹町に至っても、なかなか良い場所は
見つかりません。

そうこうするうちに、雨足が強くなり、仕方なく広尾町のキャンプ場まで戻り、野
営することにしました。キャンプ場では沢山の家族連れやライダー、チャリダー
が雨の中、テントを張っています。

どんどん、雨脚が強くなる中、大きな白樺の木の下で、なんとかテントを設営。
やっと一息つけました。

本日の走行 447キロ


セイコーマートで買ったジンギスカン弁当を食べ、ささやかながら北海道の味覚
を楽しんでいると、雨がやたらにきつくなってきました。
そして、今度は雨漏りです。プロバイダーのポイントを貯めて、景品でもらったテ
ントなので、安物とは思っていましたが、これほどとは・・・・。
ゴミ袋をカッターで裂いて、フライシートの上にかぶせます。
側溝を掘る余裕も無かったのですが、幸い、斜面の落ち葉の重なった場所を選
んでいたので、横側からの水攻めには遭いませんでした。


写真は、翌朝の様子です。向うのチャリダーも、フライシートの上にシートをかぶ
せていますね。(笑)

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